新着情報

2023.04.26

ChatGPTとの付き合い方

若手の先生の能力の低下を危惧するベテラン先生の記事です。
 https://forzastyle.com/articles/-/67207

「生徒が『学校に来たくない。』と彼に相談して来たら、その生徒の目の前でインターネットに『生徒に学校に来たくないと言われたら?』と入力して、出た答えを生徒に向かって読み上げていた」のだそうです。
「結局生徒の方が、『先生が当てにならないから自分が頑張る』と言い出して事なきを得た」そうです。

この若手先生が利用したのはグーグル検索のようですが、今話題のChatGPTに聞いたらどんな答えが返ってくるかやってみました。 下がその答えです。

生徒が学校に来たくないと言った場合、その理由を確認することが大切です。その理由によっては、適切な対処方法が必要になるかもしれません。
まずは、生徒がどのような理由で学校に来たくないと感じているのかを聞きましょう。理由が明確であれば、その問題について話し合い、解決策を見つけることができます。
例えば、いじめや不登校、学業やスポーツの成績不振、家庭の事情など、生徒が学校に行くことに抵抗を感じる理由は様々です。その場合、カウンセリングや専門家のアドバイスを受けたり、教師や保護者、または学校の専門職員と協力して対応することが必要かもしれません。
また、生徒が学校に行くことに抵抗を感じる理由が明確でない場合は、生徒と話し合い、その原因を特定することが重要です。生徒が安心して話せる雰囲気を作り、生徒の心情を理解し、サポートすることが大切です。
最後に、学校が安全で、健康的で、支援的な環境であることを生徒に伝えることも重要です。生徒が学校に行くことが大切である理由を明確にし、生徒をサポートすることが、彼らが自信を持って学校に通い、成長できるようにするための最善の方法です。
 
まあ、常識的な答えでしょうか。 プロの先生がわざわざ調べるほどの内容ではありませんね。
ベテラン先生の記事には、授業はタブレットで動画を流すだけという若手先生のことも書かれていたので、ChatGPTで、中学数学の正負の数についてどう教えればいいか聞いてみました。下が答えです。
 
正負の数についての教え方は、中学生にとって非常に重要なものです。以下に、中学生に対する正負の数についての教え方を示します。
1.正負の数の基本的な概念を説明する
まずは、正負の数の基本的な概念を説明しましょう。例えば、「ある数が正の場合は、右側にある数軸上の原点から右側に位置し、その数より大きい数も正の数となります。一方、その数が負の場合は、原点から左側に位置し、その数より小さい数も負の数となります。」
2.数軸を使って視覚的に理解させる
数軸を使って視覚的に理解させるのも有効です。数軸上に、正の数と負の数を示す点を書いて、中学生に正と負の数の位置関係を説明しましょう。
3.実際の例を挙げて説明する
実際の例を挙げて、正負の数の計算方法を説明することも大切です。例えば、「5+(-3)=2」といった具体的な計算式を用いて、どのように計算が行われるのかを説明することができます。
4.演習問題を用いて理解を深める
最後に、演習問題を用いて理解を深めることが大切です。簡単な問題から始めて、少しずつ難易度を上げていくことで、中学生が正負の数に慣れ親しむことができます。また、計算問題だけでなく、物理現象や経済現象などの例を使って問題を解くことも有効です。
 
これも常識的な内容ですね。 ほかにもいくつか試してみましたが、挨拶文などはすぐに見本を作ってくれて、便利かなと感じました。 ただし、含まれる情報が全くでたらめということも多く、それをまことしやかに断定するので、非常に危険だなとも感じました。
 

それでは、このChayGPT等のAIとどのように付き合っていけばいいでしょうか。

ちょっと話は違うのですが、若いころ海外の会議に技術論文を提出することになり、日本語で書いた論文を英語のプロに翻訳してもらったことがあります。ところが、翻訳者は英語のプロではありますが、技術的な専門用語や英語の論文での表現に関する知識が乏しかったため、出来上がった翻訳は英語の論文としてはつかいものにならないものでした。しかたなく、時間がなかったこともあり、休日出勤をして自分で修正をしました。それ以降は、つたないながらも自分で英文を書き、それを英語のプロやネイティブにチェックしてもらうという方法にしました。

さて、英語の専門用語や表現についてはある程度知識があったので、翻訳したものが適当でないという判断ができたわけですが、もしこれがフランス語だったとしたら、用語も表現も分かりませんから、間違った用語や不適当な表現のまま提出していたかもしれません。

同じように、ChatGPTを使いこなすには、出来上がった文章の内容が正しいか、また使用目的に照らして妥当な表現なのかを判断する能力が必要となります。そうでなければ、恥をかいたり混乱を招くような事態となってしまうかもしれません。

結局、このような生成型AIを使いこなすには、本当は自分でやろうと思えばできるんだけど、AIの方がずっと早いのでAiにやらせる、というぐらいの能力が必要と考えられます。 そうでなければ、自分の文章として責任をもって出すことできません。 AIを使っているというより、AIに使われている状態といってもいいでしょう。

AIが話題になりだしたころ、簡単な仕事はAIにまかせて人間はもっと創造的な仕事に時間を使えばよい、といった議論がありましたが、ChatGPTのように、ある意味創造的な分野までAIが進出してくると、人間がAIを使いこなすためのハードルはますます高くなっていくような気がします。 そして、”AIに使われる”人間が増えていくような気がしてなりません。

お電話でのお問い合わせ

秋山 深雪(あきやま みゆき)

ページトップへ