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2022.01.10

十二支に猫がいないわけ

もう1月も10日ですが、皆さんは新年をいかがお過ごしだったでしょうか。 オミクロン株の急増や各地での豪雪と、波乱の年明けとなった感がありますが、今年こそ穏やかな年となってほしいものです。

さて今年は寅年ですが、小学生に干支に入れたい動物を尋ねたところ、第1位が猫だそうです。 やはり身近な動物の犬が入っているんだから、猫も入っていてもいいんじゃないかと思いますよね。 それでは、なぜ猫は干支に含まれていないのか。 そういえば子供のころに、"ねずみに騙されたから" みたいなお話を読んだ記憶があるなと思い、あらためて調べてみました。 こんなお話です。

お釈迦様が 「元日の朝に私の元に一番早く来たものから順に、十二番目までの動物を一年交代でその年の守り神にする」 というおふれを出しました。 猫がねずみにこのおふれの日にちを確認したところ、ねずみは2日の朝だと嘘を教えました。
元日、牛はまだ暗いうちに、足が遅いからといって早く出発しました。 その様子に気づいたねずみは、牛の背中に乗って一緒にお釈迦様のところに向かいました。 牛が到着するよりも先にねずみは牛の背中から飛び降り、一番乗りとなりました。
その後、牛、虎、兎、竜、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪という順でお釈迦様のところに到着しました。
猫は次の日にお釈迦様のところに来ましたが、時すでに遅しで、十二支には入れませんでした。 怒った猫は、それ以来ねずみを追いかけるようになったと言います。

ところが調べていると他にも説があることが分かりました。

ねずみを食べてしまった悪者説
お釈迦様に頼まれた薬を取りに行ったねずみを猫が食べてしまったために、十二支に入れなかったという説です。

以上の2つの説はいわば伝説・神話の類ですが、下の二つは、実際のところどうなのというまじめな説です。

干支が作られた頃に猫が知られていなかった説
干支や十二支が作られた頃には、まだ中国では猫があまり知られておらず、それほど飼われていなかったため、という説があります。 ただ、紀元前3000年頃の猫の骨が中国で見つかっていることから、ちょっと怪しい気がします。

虎が先にいたから説
中国では昔から強いものの代表として龍と虎が出てきます。 ("龍虎"というしこ名の力士がいましたね。) 龍と虎は昔の中国の人にとって、ある意味なじみ深い動物だったので干支に含まれることになりましたが、猫は虎の小型版ということでいらないんじゃない、となったという説です。 個人的にはこれが一番ありそうに思えます。

日本の干支には猫はいませんが、実は世界には十二支に猫がいる国もあるそうです。 ベトナム・チベット・タイでは、うさぎの代わりが猫で、ブルガリア(!)では、虎の代わりが猫なんだとか。 また、モンゴルでは虎ではなく豹だそうです。 その他、牛の代わりに水牛とか、羊の代わりにヤギとか、猪が豚とか、中国が起源の干支ですが、各国に伝わるうちにいろいろ変化しているんですね。

干支に関するちょっとした疑問から、いろいろ新しい知識を得ることができました。 ブルガリアに干支があるなんて! 何事にも、興味・好奇心を持って調べていくと、何か新しい世界が見えてくるような気がします。

それでは、本年もどうかよろしくお願いいたします。
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秋山 深雪(あきやま みゆき)

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