新着情報

2021.11.29

神社で柏手を打つな!

 少し気が早いですが、お正月には初詣に行かれる方も多いと思います。 今年のお正月はコロナの影響で控えた、という方も多いでしょうか。 このところコロナも落ち着いていて、来年は大丈夫かなと思っていたら、オミクロン株とかが出てきて、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。平穏な年末年始を過ごすことができることを祈るばかりです。

さて、その初詣で参拝の際の作法として、"二礼二拍手一礼"が正式なものとされており、神社によっては、拝殿に、"お参りの仕方"などとして掲示してあったりします。 現在放送中の朝ドラ、"カムカムエヴリバディ"では、神社に参拝するシーンが出てきますが、その際もおおむねこの作法に従っているようです。

ところが、宗教学者の島田裕巳さんによると、"二礼二拍手一礼"は伝統的な作法ではないというのです。 ではこの作法がどこから来たのか。 実は起源ははっきりしないようですが、明治政府による神仏分離令により、それまで"神仏習合"といって本来同じものとされていた神様と仏様が、別のものとされたあたりから何回も変遷を経ながら出来てきたようです。ただし、その作法はあくまでの神職のもので、一般の氏子の作法ではないのですが、氏子が神職の真似をするようになって一般に広まったそうです。
さらに、その初詣そのものも、それほど新しい習慣ではなく、昭和に入ってから鉄道会社の営業戦略として一般化したものだとか。 大みそかの除夜の鐘の風習も、NHKの"ゆく年くる年"の前身のラジオ番組によって昭和の初めに全国に広まったものだそうです。

このように、古くからの伝統や日本古来の風習と思っていたものが、実は案外最近出来たという例はほかにもあるようです。 だからと言ってそれらを否定する必要はないと思いますが、背景を知るこは、社会が変化したときに頑張って守るべきもの、柔軟に変えていくものといった判断の役に立つのではないでしょうか。


神社で拍手を打つな! -日本の「しきたり」のウソ・ホント

ここで、ちょっとした妄想です。

2050年の日本。 外出の際にはマスクをするのがマナーとされ、マスクをしないのは服を着ていないのと同じくらい恥ずかしいこととされている。 人々はそれを当然のことと受け止め、日本の古くからの伝統と思う人も多い。 しかし実はこの風習は、2020年に世界的に大流行したコロナウイルス肺炎の際に、外出時にはマスクを着用するよう奨励されたことが始まりで、十年近くかかってようやく流行が終焉したのちも、マナーとして残ったものである。

まあ、こんなことにならないと思いますが、いずれにせよ早く収束してもらいたいものです。

お電話でのお問い合わせ

秋山 深雪(あきやま みゆき)

ページトップへ